清水健太郎建築設計事務所

使用する材料についての考え方

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当事務所では、風土と暮らしをテーマに家づくりのお手伝いをさせて頂いています。

住宅に使用する構造材や下地材も、高気密高断熱住宅を建てる際によく採用される狂いの一切ない集成材ではなく、

無垢材を中心に材料を選択させて頂いています。数値がピシッとしている家というよりは、年月を経て風合いの出る家になるように。一見同じように見える材料でも、違いがあります。例えば土台や柱に使用する桧ひとつとっても産地によって色味や油分、香り等が異なります。このように材料にはそれぞれ違いがあることから、例えそれが仕上がった際に見えなくなるような箇所の素材であるとしても、一棟一棟最適な材を吟味させて頂いています。

上の写真は材木屋さんの倉庫にお伺いした際に見せて頂いた美しい風景。

なんの変哲もない一般的な下地材ですが、丁寧に数カ月かけて自然乾燥されているとのこと。きれいな木に見とれたわけではなく、大工さんやお施主さまへの細やかな配慮がなされた材木屋社長の心意気が材料からも見て取ることができ美しかったのです。

現代において、このように材料が丁寧に扱われているのを見ることも残念ながら少なくなってきています。見えない部分、一般的には気づかれもしない部分であったとしても細やかな配慮をして家づくりをしなければ、とあらためて思わされる風景でした。